人材が足りない、中途採用で即戦力が欲しいと思っている企業は多くあるものの、中途採用にかかるコスト面で中々難しいと考える人事担当者の声をよく聴きます。今回は採用費用を抑えられる方法をご紹介します。

《目次》

中途採用一人当たりの相場は78万円!

採用コストを抑える3つのポイント

トータルコストを抑えられる「産業雇用安定助成金」を詳しく解説

視野を広げることでより低コストで優秀な人材を採用できる

中途採用一人当たりの相場は78万円!

自社の中途採用のコストを抑えられるかを判断するために、まず平均値を知っておく必要があります。マイナビが中途採用状況調査2020年版で出したレポートを見ると、中途で1人を採用する場合の相場は78万円という結果になりました。

中途採用では、求人を出す際の外部にかかるコストと、中途採用者を迎えるための内部でのコストがあります。特にかさむのは外部の方、ここをいかに抑えて優秀な人材を手に入れられるかが重要です。

また採用コストは、企業の従業員の規模や業界、地域によっても違います。例えば、年間採用費の総額実績の平均値は674.1万円ですが、従業員の規模ごとに見ていくと、60人未満規模の企業が350.8万円、60~299人規模の企業が412.9万円、300人以上規模の企業が1102.9万円となっており差が出ています。業種別でみると一番低い業種は流通・小売・フードの356.3万円で、一番高い業種はIT・通信・インターネットの898.5万円となっており、こちらも倍近く差が出ています。また地域によっても差が出ており、一番低い地域が北海道・東北地方で188.8万円、一番高い地域が九州・沖縄で1499.0万円(首都圏は947.4万円)となっています。

平均金額は674.1万円ですが、企業の規模、業界、地域によって採用にかかっている費用に大きく差が出ています。コストが高くなるのは、出せる資金があるという風にも見えますが、それだけかけなければ人材を手に入れられないという見方もでき、実際に中途採用に苦戦している企業も多いのです。

採用コストを抑える3つのポイント

ではここで、採用コストを抑える3つのポイントをご紹介します。この部分を見直すことで、大幅に費用を抑えられるため必見です。

  • 適正な求人サイトやエージェントを選定する

⇒中途採用を行う際に求人サイトやエージェントを利用することもありますが、双方には得意・不得意があります。求人を掲載するサイトによって、自社の企業ではどのような人材をどれくらいの人数採用したいのかをまず決め、相性を考えることも大事です。また、幅広い職種が掲載されている大型の求人サイトは利用者数で有利ですし、業界や職種を絞った専門の求人サイトは欲しい人材に出会いやすいというメリットがあります。

  • ミスマッチをなくす

⇒せっかく入社まで進んだのに、転職者・会社のどちらか、もしくは両方が「失敗した」と思わないようにすることが大事です。求人広告を出す際に、会社の雰囲気や就業条件などを適切に伝え、過度に期待をさせたりしないよう注意しましょう。入社してからすぐに退職してしまうケースも出てきてしまいます。また、面接時に企業側が求職者を見誤ることもあります。

  • 助成金を活用する

⇒中途採用で使えるには「労働移動支援助成金」と「中途採用等支援助成金」があります。

「労働移動支援助成金」には、再就職支援コースと早期雇入れ支援コースの2つがあります。

再就職支援コースは、事業規模縮小などで離職せざるを得なかった人を雇用した時に出るものです。「職業紹介事業者への委託」「求職活動に専念するための休暇付与」などが要件になります。

早期雇入れ支援コースは「再就職援助計画」「求職活動支援書」のどちらかを持った人が離職の翌日から3か月以内に雇用した企業が助成対象となります。ただし、無期雇用として採用しなければ助成はおりません。

「中途採用等支援助成金」には、中途採用拡大コースとUIJターンコースと生涯現役企業支援コースの3つがあります。

中途採用拡大コースは、中途作用の拡大を目的としたものに当てはまり、労働条件や人事評価、福利厚生などの整備をする際の助成として申請することができます。

UIJターンコースは東京圏からの移住者を採用した時に出す助成制度です。「採用活動の計画作成・認定」「所定のマッチングサイト経由で応募した労働者」など細かい要件がいくつもあります。

生涯現役企業支援コースは開業したばかりで、かつ40歳以上の法人事業主や個人事業主を対象にした助成で、従業員を採用したり、教育訓練を実施したりする場合におりるものです。

それぞれ条件が違いますので、自社の状況と突き合わせて適正な申請を行いましょう。

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トータルコストを抑えられる「産業雇用安定助成金」を詳しく解説

ひとつ前の項目で「助成金」について触れましたが、採用コストを抑えるために使える助成金は他にもあります。それが「産業雇用安定助成金」です。産業雇用安定助成金を使うと、採用時の費用に加えて、その後の給与も抑えることができます。ただし産業雇用安定助成金が使えるのは正規雇用やアルバイト雇用ではなく在籍出向に対する助成金です。

産業雇用安定助成金の対象者は出向元と出向先の事業者ともに助成対象となります。条件として、出向元が「新型コロナウイルス感染症の影響により経営環境が悪化し事業活動が縮小している」「最近1か月間の売上高または生産量などが前年同月比5%以上減少している」「労使間の協定に基づき出向を実施し出向手当を支払っている」の3点を満たしていることが条件です。

産業雇用安定助成金は2021年2月に作られた助成金のため、雇用調整助成金と混同していたり、認知度が低いため知らなかったという方もいたりします。雇用の維持を図るための助成金ですので、人材が欲しいと思っている受け入れ側にも助成金がでます。

この助成金を使うメリットとしては、出向初期経費として最大15万円が支給されること、求人掲載費を削減できる、助成率が高いため採用費だけではなく給料負担もコンスタントに削減できることです。中途採用の際に出る助成金は、あくまで採用コストに関する助成でしたが、産業雇用安定助成金の場合は雇用後の給料に対しても助成金が出るというのが大きなポイントではないでしょうか。人件費を抑えながら新しい人材に働いてもらえるため、出向先の企業としても嬉しい助成金です。

➡参考「在籍出向と移籍出向(転籍)、派遣の違いを理解することで問題を回避できる

➡参考「在籍出向で使える「産業雇用安定助成金」とは?「雇用調整助成金」と何が違う?

➡参考「今注目の出向とは?出向の意味と推進される理由を解説

視野を広げることでより低コストで優秀な人材を採用できる

中途採用を考える時に、正規雇用の採用コストをいかに抑えるかを中心に検討してしまうかもしれません。ですが今は新型コロナウイルスの影響もあり、いつ何が起こるのかわからないため在籍出向のように流動的な採用のほうが向いている場合もあります。

新しい人材が欲しい企業は、長く働き続けてくれる人材を探しているため、在籍出向の受け入れを初めから除外して考えている傾向があります。ですが、出向契約に違反しなければ、在籍出向から転職することも可能です。初めは在籍出向として働いてもらい、その後時期が来たら転職として切り替えることができるということです。とはいえ、産業雇用安定助成金を受け取る場合は、出向社員は一度出向元に戻ることが条件になっているためハードルは高いかもしれません。

中途採用を考えることと、在籍出向を受け入れることは似て非なるものではありますが、在籍出向には在籍出向のメリットもたくさんあります。即戦力が欲しいというときに中途採用しか候補にあがらないかもしれませんが、在籍出向先として人材を受け入れることで自社の悩みが解決できる可能性もあるのではないでしょうか?

人材が欲しいと思っているのであれば、様々な選択肢を検討してみて下さい。

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※産業雇用安定助成金のご利用を検討されるにあたり、
弊社からも出来る限りの情報提供を行わせて頂きますが、
当助成金の詳細や受給対象可否に関しては、
産業雇用安定助成金ガイドブック https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000735076.pdf
等をご参照の上、必ず所轄の都道府県労働局またはハローワークへ
ご確認頂き、ご検討・ご判断くださいますようお願い致します。
助成金支給可否に関して、弊社では一切の責任を負いかねますので
ご了承ください。
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